しかし、一旦コンデンサに蓄えてから使用する方式では、
- 使用できる電力の総量が半減する
- 電源電圧の上昇が緩やかなためリセットICが必須
- 電気二重層コンデンサをはじめとする部品コストの上昇
そこで、原点に立ち返り、コイン型リチウム電池による直接駆動でTWE-Liteがどのくらい持つのか検証してみることにしました。
検証開始
検証に使った電源部は、下の図の通りです。電流制限用の1kohm抵抗を外し、1Fの電気二重層コンデンサを100uFのチップ積層セラミックコンデンサ(DCバイアス状態のため、実質80uF)に交換しました。
電源部を改造したリモコンの送信スイッチを、Raspberry PiのGPIOに接続し、送信トリガーをRaspberry Piから定期的に与えるようにしました。
送信パターンは、
・5秒間送信
・1秒間停止
・5秒間送信
を1分毎に繰り返すようにしました。これは、空振りによるリトライを考慮したパターンです。電圧の計測は、TWE-Liteの標準アプリと同様に、内蔵AD変換で得られる電源電圧を使用しました。
丸1日以上計測したところ、結果はこのグラフのようになりました。土曜の13時頃から始めて、翌日の13時を過ぎても、普通に送信が出来ていました。全体に電圧がやや低めなのは、ダイオードによる電圧降下が0.2Vほどあるためです。
バッファコンデンサ除去
送信のたびに発生する脈動が100uFコンデンサによるものか確かめるため、途中でコンデンサを外してみた所、脈動はほぼそのままで、平均電圧が下がりました。脈動の原因は、大電流取出しによる一時的な内部抵抗の上昇が原因ではないかと思います。グラフの一部分を切り出して拡大すると、送信開始と送信終了で数十mVの電圧低下が発生している様子がわかります。
コンデンサ再接続
二日目の18時を過ぎた頃に、トリガーを与えても5秒間の送信を維持できず、1-2秒で息切れするようになりました。送信インターバルを変えれば復活するのではないかと思い、パターン周期を2分毎に変えたところ、少しずつ電圧が回復してきました。
さらに、取り外したコンデンサを再び接続したところ、安定して送信できるようになりました。
結論
新品の電池でないにもかかわらず、丸1日以上送信を維持できました。24×60=1440回以上ということは、回数だけなら約4年分になります。実使用では長いインターバルを置くので、待機時の消費電流を抑えれば、数年間は使えそうです。
CR2032と1Fの電気二重層コンデンサはほぼ同じサイズなので、PS-65プラスチックケースでCR2032による直接駆動を検討してみます。
CR2032と1Fの電気二重層コンデンサはほぼ同じサイズなので、PS-65プラスチックケースでCR2032による直接駆動を検討してみます。
CR1220の場合
コイン電池をCR1220で試したところ、息切れ状態のCR2032と同様に、連続送信を維持できませんでした。CR1220による直接駆動は無理なようです。
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